みなさんは小説を読まれたことがあるだろうか?
なんて質問はやっぱり変なんでしょね。でもボクは自慢じゃないが現在まで小説というものを(特に長編を)読んだことがありません。かといって本を読まないわけではなくどちらかと言えば一般的な人より多くの本を買いたくさん読んでいると自負します。そもそも現在のボクの知識の基はそれらの本から成り立っている野は間違いの無い事実だ。職業にしたこともあるもので言えば写真撮影やCG、絵なども軽い趣味から入ったもので、職業にしようと思ってやり始めたものでもないのにそれでも一流企業と呼ばれるところから依頼を受けれるようになったのも「本」があってのことだろうと思う。
つまり、実用的な内容のもの、もっと言えば真実が書かれてあるものしかほぼ揃えて来なかったということだ。反対に言えば他人が考えだした「ウソ」に長時間しかも労力をかけて読破するという体力を使うことが怖かったのだと思う。決して物語的な「ウソ」が嫌いなわけじゃない、その証に映画(DVDも含め)もボクの周りの人間のだれよりも観てはずだ。
映画は長くても2時間ほどの我慢で済む、おもしろければあっという間に感じるし面白くなければ途中でやめればいいことだ。損する時間は小説に比べれば圧倒的に少ない。もし1ヶ月かかって読み終えた時、最後の結末に納得いかないことがあったならどうなってしまうのだろうと想像しただけで恐ろしくなる。
きっとたくさん読んで来られた方はそんな経験があるんじゃないだろうかと、人ごとながら身震いしてしまう。
では、今さらながらになぜ小説に興味をもったのかというと、実は自分がもっとも苦手とする文章を書くという行為をどこまでできるのだろうと突然思ったからだ。そう思ったらやってみるしかない。そこでなにも手本や手引きが無いまま書き始めたのだが、意外と物語はスムースに進んでいき楽しいぐらいだった。自分が創造した世界にキャラを設置すれば勝手にキャラが動き始めた。そこで進めていくうちにちょっと心配になってきた。先に書いたようにさまざまな本を読みそれをもとに慎重に技術を昇華させていくのがボクの常套手段だったはずだ。であれば小説を書くのに小説を読まないで大丈夫なのかという単純な心配だった。
そこで発売されている数知れない小説の中から何を選べば良いのかということが問題になった。全く小説に触れてこなかったボクがどれかひとつを選出するというのはかなり困難なことだとわかっているので思いつきで選び出した(というか偶然知っていたというべき)のが村上春樹氏だったのだ。毎年暮れになるとノーベル文学賞に今年こそ選ばれるのではとニュースでさえ取り上げるから名前だけは知っていたし、彼の「1Q84」という謎めいたタイトルの小説の続編が店頭に平置きされるシーンもニュースでよく見ていたので、それほど評価が高く広く読まれているなら間違いはないのだろうという他力本願なもので村上春樹の「1Q84]を読み始めることになったのだった。
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